家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

設計・施工・伝統構法

室内明るさ考

それを経ての野地バラ板の切断、そして開口。すると、母屋二階が見知らぬ空間になった。明るくなったからだ。この前後の違いには驚いた。 家の中は明るい方が兎に角善。そう考える女性は多そうだ。家探し初期の頃のお母さんも例外なく。 昨今の戸建住宅は庇…

墨汁から高層ビル、杉皮から邸宅

前述したチムニー骨組みを設置する施工を開始。屋根に孔を開ける施工、とも言う。そういう当施工において、と言うか夏休みの宿題の貯金箱製作だろうが巨大タンカーの造船だろうが、手作業工程がある造作物にはまず墨打ちが必須。肝要な作業の一つだ。数百億…

板金材検討

板金施工と決まっても、どんな板金にするかも考える。 屋根の板金と言えば鉄。鉄と言っても、今時は鉄板を使う事はあまり無い。ガリバリウム鋼という、あれやこれやメッキされて防食性を高められた物。 これが出てくる前の昭和後期以前に板金屋根と言えば、…

屋根のお勉強

そんなこんなで構想から三年、探検さんご来訪キッカケ発注の部材調達から一年。チムニー施工にようやく、ホントによーーぉやくの着工。たかだか一つの住宅設備だが、薪ストーブがブログのネタになる世の中。お父さんはまだ未使用者なので、そこら辺の熱い気…

チムニーの価値

自分を超えてしまう施工。チムニー施工はこれに該当すると思う人は、お父さんの体感する限り全員。そりゃそうだ。屋根に穴を開けるんだから。 以前書いた事だが、チムニー施工一択提案する薪ストーブ業者があった。チムニーではなく煙突直出し法は嫌がる嫌が…

意匠センス

素人多能工の施工話はまだ続く。次は薪ストーブ炉壁の周囲見切り材取付。既に貼ったケイカル板、そしてこれから貼る石膏ボード。このままだと貼っているだけの状態。それをそれなりの見た目に収める目的。 このような「端」とか「際」とか「縁」とか。お父さ…

スキル上昇と施工順

そういうお父さんにお母さんが「多能工やね」と言う。奥玄関の土間石貼り施工中の出来事。 これもほったらかし作業。施工中現在の奥玄関のここは、皆が何をするにしても何回も通る我が家の大動線。踏み石大移動を伴う施工にて発生した、そこにあるちょっとし…

気持ち抜き施工

さて、そんな貴重な薄板材が複数枚必要な箇所の施工、それは外壁。目下の所はキッチン新設壁の外側。 先に書いた通り、板材に関しては新たに購入するしかないと設計当初時には考えていた。しかしその後、現在は解体資材保管小屋、将来は物干し置き場予定地に…

施主設計、施主施工、施主調達

お母さんは、会社では営業という最前線の部署にて働いている。現場に行って稼いでくる部門だな。軍隊でいう所、歩兵師団だな。機甲師団やら空挺部隊やらもあるが、歩兵だな。陸上自衛隊で言うなら普通科小銃小隊が相当するのかな。その隊員の方だとどうか分…

建材部材の調達労力

購入か自作を迫られたものの、自作可能かの検討が不足しているお父さん。外国有名企業製で似た仕様の物も見受けられたが、詳細は不明。しかも、とんでもなく高額。で検討外。さて、どうしようか。夜な夜なインターネット検索の日々を過ごしていたある日、検…

人類の優れた発明品

採用した換気扇が、外壁に大きな箱を付けるこの仕様になった理由も書いておこう。 当初検討していた換気扇は、違うメーカーの壁付と天板付の二種。壁内や天板下部の違いはあれど、いずれも大きなダクトを設置した上で、吸気口よりも下方の外壁にファンを取り…

頭上の事

百年後にあるか分からない設備云々を言うならば、キッチン天板も床漆も薪ストーブも同じだな。二人の時代でも使っているかもしれないから書くか。孫世代以降はそういう設備があったのかと思って読んで頂戴。 現代のキッチン換気扇はコンロ上方に設置される仕…

百年後に換気扇は有るのか否か、それが問題だ

唐突だけども、これを書いているのは平成28年、西暦だと2016年。なので、百年前だと大正5年で1916年。第一次世界大戦中の頃だ。現代からすると大昔の感がある。当時の人からしても現代は驚く事が多くなかろうか。科学技術も然り、庶民の風俗も然り。 他方で…

ほったらかし作業の着手

キッチン天板漆塗り施工への邁進にて、ほったらかしにしていた施工。それらを進めて行く事にする。 その一つ、キッチンの換気扇設置施工。換気扇はかなり前から現場に邪魔的鎮座。漆施工中断、及び台風襲来に懲りて壁を造っておこうと思った次第。本施主施工…

やっとの石膏ボード施工

鉋が終わった柱を建てる。当然ながら天地が決っている。柱の上には既存鴨居、下には根太等々があるという事。よって、またもや斜めにして建てるので色々無理が出るわ、手間が掛かるわ。 当該柱の足元直下には束がある。その上に大引、さらにその上に根太があ…

天板巾木を作る

隙間を錆漆にしようが、天板設置基準をどこに置こうが、巾木材自体の施工法は壁面への後付けしか考えられなかった。 天板設置前に巾木が付いていると、天板を斜めにしながら行う設置作業が不可能だった。天板を嵌め込めないか、巾木が天板から破壊の上で外れ…

ディティールに神が宿る、らしい

さて、何故、漆塗りが終わっていないのに天板本設置を急いだのか。何故、天板と壁との取り合いを壁面基準にしたのか。それは「天板巾木」を取り付ける為。 天板巾木。普通に言うなら天板奥側の立ち上がり材か。天板上の水が壁に回らないように立ち上がってい…

美しさも金次第

ようやく精度はイマイチ品ながらも埋め木作り終了。いざ埋めてみる。 まずは死節や抜節部を特定。 座ぐりする。 埋め木にボンドを付けてはめ込む。 そして奥まで叩き入れ、その後にヤスリ掛け。 至って簡単。と思いきや案外そうでも無い。そこそここれまた悪…

後は俺に任せろ

本命なのは定尺か。そもそも定尺で考えていたし。設計図も定尺張りで書いてるし。 2m材の一般サイズの定尺にしなかったのは割安になるから。根太問題があるので、長尺材の方がそれを抑えられるのではないかとも。そして、幅広い上に長尺というのはそんじょそ…

フローリング材の張り方検討

床板割付図の作成着手。この手の事は極力避けたかった。漆塗布までに時間が無いから、では無い。まだまだ先の施工の事を、この機会に決定してしまうからだ。 まだまだ先となる床板施工経験値が一定以上あれば、現時点で計画を立ててもその通り出来るだろう。…

「怒りスイッチ」再活用

古民家先輩は初めてのフローリング施工。それ以前に、初めての施主施工でありそもそも全く畑違いの学校を卒業され、職種も全くほど遠い。なので、思い付きか真剣かはさて置いて、提案する事自体をお父さんは悪い事だとは思っていない。先述したように、知ら…

漆の工程問題

貼ってから塗る方法を採る気にならない理由はまだある。「塗り工程」の問題だ。 漆の硬化条件は温度が25℃以上、湿度に至っては90%以上にもなるとの事。これは各記述によって差はあるようだが、大体が中温多湿環境が必要そうだ。以前にも少し触れたが、日光…

現場感覚

古民家先輩のお父さんへの床板の漆施工提案。良いと思うのなら自己責任でやれば良し。実際にどうやって施工するかは自分で考えろ。嫌ならやらなければ良し。提案するだけならタダ、良かれと思っての好意で厚意な行為だってんだ。 彼がそう思ったとしても全く…

一世代の割り切り

「塗り直しメンテナンス」はどうなのだろう。 亜麻仁等の油塗料だと、当初は一年毎、暫くして二年毎、それからは三年以上毎、ゆくゆくは縁甲板のような風合いになって放置、かな。ああぁ、面倒臭いしやりたくない。塗布面積からして、家具移動等を含めて二人…

綺麗な漆床で死にたい

では、塗料としての「性能・性質」面はどうなのか。 一番比較しやすいのはウレタンと思う。ウレタン仕上げの床板材は前住居で体験済だ。無垢材床板の保護を最大動機として、前住居での前施主施工時に採用した。 この比較で問題になるのは、触感、肌触りかと…

床板漆施工への投資意義

信州現場からお土産を頂く。古民家先輩が塗った漆板の端材だ。お母さんにこれを見せると、お父さんと同じような「ふぅ~ん」というような反応。彼の好意と投じた時間費用は残念ながら効果薄。この時点で「見た目」要素は完全に無くなる。 彼の施工床以上の見…

不埒な助っ人

古民家先輩からの漆教入信勧誘から数日、漆の事が頭から離れない。仕事をしていようが、施工をしていようが、食事をしていようが。よく分からない物を頭の中だけで考えても、大した答えなど出ない。だけど夢にまで出来きた。 この時点でこりゃ駄目だと彼に連…

昔はブイブイ言わせていた

さて、彼とのこの事と、漆提案の無碍な却下が出来なかった事と何が関係するのか。 理解されないだろうが、お父さんは感情移入していたのだ。 彼は自分の矛盾等を承知していた。それを開き直っているのなら馬鹿者に過ぎないが、葛藤や苦悩をしてきただろうし…

理想と現実との衝突

それほど腰が引けているのなら断ればいいじゃないか、と思うだろう。誤解しないで欲しい、断ろうと思えば断る事が出来る男だぞ、お父さんは。ただ、説き伏せる術と姿勢が弱かったんだなぁ。 何度か書いたユニットバス施主施工というものは、彼に勧めた事があ…

「漆教」勧誘

キッチン天板の漆施工について話を進める前に、床板仕上げ材についても触れておかないといけないなぁ。文量が多くなるわ。大人のたしなみ、そして親として書きにくいわ。そんな迷いがあるものの、この手記の性格上から、そして今までの内容からしてもこの件…