家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

施工:母屋非土壁

「鉋道」:誘(いざな)い

目まいが収まらない中、出来る限り施工をしてみる。しかし、木埋め作業は健康状態でも進まない。そこで、木埋めした箇所の仕上げを行う事にしてみた。 一番最初は、高所で柱と梁との取り合い部分。鉋が使えない。ベルトサンダーも使えない。という事で、鑿で…

暑い現場からの脱出

刻んだ、雇い実も整えた、で柱建て。 前回の柱建ては上下が決まっていたけども、これは下だけだから容易。雇い実の入りもきつくて予定通り。柱の垂直具合も良し。下手こくかも、と思いながらの加工作業だったけども問題なく建てられた。 柱先は切除せずに異…

雇い実・込栓用材作り

遡って本格着工する前、ソーテーブルが出来上がって間もない頃。自己伐倒等をして薪にしていたシラカシとコナラを製材していた。目的は、もしかして必要になるかもしれないと考えていた「雇い実作り」。 必要だと判明した時ではなく備えとして作っておいた理…

酷暑の中で刻みまくり

そしていよいよ仕口。加工位置が決まっていてなおかつ難しい方の足元から。ここはややこしい。 まず柱が建つ床梁は丸太。柱と梁の接触面が平面ではなく一部円形。これが階段側なので見えてしまう。丸梁から柱が浮いているような修めは不細工過ぎる。という事…

見せない構造

伝統構法の醍醐味の一つかと思っているのが「見せる構造」。構造部分を意匠としてしまう。大工職人の腕や見識やセンスが出る所じゃなかろうか。お父さんの義父であり二人のおじいちゃんの納骨時に行った、四天王寺のお寺のそれはそれは大きな本堂内のそれら…

小屋梁腕木支持施工計画と部材発注心得

引き続き、懸案事項の二階柱を建てる。次は、階段予定位置と絡む箇所。 ここは設計時には分からず二階造作解体で出てきた柱であり、階段動線上大いに邪魔だと判明。と言って前回の柱と状況が異なる。柱を乗せたい床梁と、柱で支えたい小屋梁がズレているのだ…

柱建ての目的を施工す

柱が建った事で、その足元絡み箇所の二階床捨て板兼一階天井板を釘打ちする。 ここで再びきょうこの出番。お父さんが打つ位置を決めて軽く釘を打ち込んでおく。それをきょうこが打つ。家の手伝いが「家を造る事」。スコスコ打ち込んでいく。 それを見ていた…

柱建て初施工 -2-

柱と梁の刻み箇所に古色を塗りたくった上で、とうとう柱を建てる。 上下の梁の内寸と柱長は同じ。もしかして、気持ち長くしたかもしれない。いずれにしろ、回転しながら入れるわけなので物理的には入らない。しかし、入れる。鉄骨なら無理かもしれないが木な…

柱建て初施工 -1-

新柱の上の小屋梁、下の床梁それぞれにホゾ穴を設ける。床梁は角材で特段問題ない。松の小屋梁はそうではない。そのままでは柱と隙間が大きく開く。よって、柱との取り合い面を平らにするが、柱とピッタリにする為には結構削らないといけない。この改修工事…

過信禁物

柱を立てる段取り開始。まずは墨打ち。ここで悩んだのは基準となる所がない事。 現代の建築と現場しか知らないお父さんにとって、この家は悩ましい。在来工法と伝統構法の違いだけでない。3D-CADによる作図を行うに至った理由で述べた通り、基準線が見当たら…

埋め木が嫌なお年頃

チリを見ているとどうしても目に入る柱の切欠き部分。竿縁天井との取り合いだった所。これからは現しになるし、壁の中塗り段階で取り合いになってくる。取り合いになるだけに埋めておこう。 この切欠き。当然ながら、垂直やら平行やら切り欠いてくれてはいな…

虫食い木で小梁作業

キッチン概要が決定した事で、階段があった土壁の処遇も決定。 この壁は、階段により下半分程までしかない。なので、ちゃんとした一枚壁じゃないのでいっその事撤去し、これにより生まれるスペースをキッチンエリアに取り込む事も考えてみていた。壁を撤去せ…

最初の木材加工仕上工事

続いて天井板貼前作業として、取合い壁を板で塞ぐ。 本来、と言うのか統一仕様の基準としている隣室では、中塗仕上げ壁となっている。同仕様前提での施工がなされていない為か、土壁上部の小梁か胴差か名称は不明の荒材とのチリがあまり無いのだ。中塗仕上げ…