家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

施工:母屋設備(造作)

千切り乱心

タモ板の前に鉋で挑んだお父さんは最後まで戦いきった。しかし、実質敗戦。勝っても特に誰にも認められないが、負ければズシンと精神にくる。 本職と違って責任が無い分、施主施工なんて所詮はお気楽節約行為。何故か心底そう思える日が未だやって来ない。一…

無様

さて、出来上がった鉋掛け後の天板。全体を高速瞬きバチバチしながら一見だけすると美しい。やはり艶が全く違う。 しかし、普通に見ると全くそうではない。こう書かなくとも、実際に見ている二人もよく分かっているんだろな。そう、板を剥がしてしまっている…

タモ天板鉋掛け再び

そんな消極的理由により鉋掛けをする事にした。ただ、どうせするのなら前向きにやろう。 まずは鉋刃を砥ぐ。新調お高めの寸八鉋と、毎度お馴染みの中学校寸六鉋。以前の鉋掛けによりタモには青紙鋼だと確認済。硬木だから当たり前なんだろうけども。これらを…

続く懸案作業

接着材としての漆の完全硬化はいつ頃か。接合面内部の事を考えると一週間は見ておこう。と思いつつも、連結金物があるし大丈夫そうだな、と接着当日に天板加工を開始。 至って単純に木工。短尺側端部の板角を面取り、コンロ部開口、シンク部開口、柱取り合い…

キッチンL字天板接合

糊漆は、確か上新粉1に水1で米糊を作り、それを確か生漆2に混ぜる。まぁ、そこらの比率については、ベテランの方の記述が将来にもあれば参考にさせてもらう方が良いかもしれない。多くは目分量っぽいけど。 その事よりも何よりも、「漆は扱いにくい」。分量…

αデンプン接着力

糊漆は、麦漆と比較して含水量が多くなる。糊漆を作る際の米糊比は、麦漆を作る際の盤石糊比よりも高くなるからだそう。そもそも米糊には水気が多そうだし。 その上、デンプンは面結合、グルテンは繊維結合。前者は水を留めやすく、後者は比較的そうではない…

接着材としての漆

漆接着を面倒、と思ったのは何より一から調べたり学んだりする事を要するからだ。そういう事は嫌いじゃないが、時間がなぁ。インターネットでは、信憑性ある明確な理屈や答えが多いとは言い難い。よって、最終的には勘や推理等で自己決断ってな具合の事や物…

接着剤から接着材への迷走

そろそろ漆の事を書く段になった。と言っても塗料としてではなく、接着材としてだけど。 キッチン天板は接ぎ板。板を複数枚引っ付けて大巾板にしているわけだな。この引っ付けるのに使われているのは接着剤。板接ぎに使う接着剤の種類はその加工所による様な…

「答えを知ってからグダグダ抜かすな、腰抜け野郎共が」話

はい、次。天板の持ち上げ対策とL字接合問題の解決。 天板を持ち上げた状態にしておく、となると馬に載せてしまうのが一番簡単。馬は三台のみなので追加製作をしようか。 しかしながら、馬材料に使えそうな角材は残り僅か。さらに、普通の馬では低すぎる。施…

トップダウンの強権発動

思考の散乱が止まらない。施工者思考はいつもの大工職ではなく指物師、いや、木工職。そして漆塗師が初登場。ただ、木工職は日曜大工レベル、塗師に至っては未経験者。それならそもそも塗師じゃないやんか、という奴まで大きく口を出すのだから始末が悪い。…

設計の「先生」

思考の混乱に苛まれる当時のお父さんの状況を読んで、二人はどう考えるだろう。 薪ストーブ搬入時に使用した台車を利用する。そう考えたのなら喜ばしい。いくらお父さん並みの重量だからと言って、台車に載せられない事はない。寧ろ、薪ストーブと違って長尺…

貧弱体制

さて、何が問題か分かるだろうか。 お父さんやお母さんの乱心行為とかが無ければ、二人はキッチン天板は日常的に目にや手にしているはず。 その天板、反り止め桟を除いた正味のタモ天板のみの重量は凡そ50kg台半ば程。コンロとシンク設置の為の穴開けをする…

工程の躓き

それらを解決して施工が始まってからも、様々な課題が見つかる。事前に網羅する事など不可能。だからこそ建築業界は経験則のどんぶり勘定。二人が建築土木やその周辺業界にいない場合、そのいい加減さにちょっと驚くかもしれない。だからこそ改善の余地等が…

施主施工の不透明さ

蟻桟の通り道を埋めた事で板材として完成。ようやく、寸法切りの上でL字型にする為の接合部を粛々と加工。埋めた上でのこれら加工、2時間か3時間程度だったろうか。 一山超えた。そして、新たな大問題。長尺板と短尺板をどのようにして接ぐのか。正確に言う…

「吸い付き」と「送り寄せ」

ようやく桟作業は終えたがこれは材料の準備のまだ途中過程。まだまだこれから。 板材発注時に「伸び寸法」を頼んでいた。これをまず切り落とす。 材料の余白分の事を指すらしく、指定寸法より材料周囲寸法に少し余裕を採る。端材となるなら何かに使えるかも…

お父さんのお尻は良いお尻。凄いぞぉ、デカいぞぉ。

但し、大変。勿論他者の物なら発狂ものだが、お父さんのキレイなお尻でさえ自分で拭くのは大変だ。すぐさま後悔の雰囲気が心中に漂い始める。 替えの桟材は無い。いや、あるにはあるが現状がそれなりの大きさの板。これを切り刻んで桟に使うのは勿体なさすぎ…

束の間の意気揚々

キッチン天板材長尺側への締まり勾配加工は四か所行う予定。その内の最初に二ヶ所については、先述の通り。 まずは、トリマテーブルの凹み補正。天板下につっかえ棒を固定して良しとする。至って簡単。 → そして、残り二ヶ所の施工。非常にスムーズ。集塵体…

灯台足元の暗い所からの伏兵

準備は整った。今度こそは上手く行くはず。トラウマ作業だが意気揚々。で、作業実行。 しかし、おかしい。ホゾと桟の巾は良い感じ。パイプクランプ挿入も途中まで良い感じ。いつか見た画像のように、手だけで廻し込めていけそうだった。だが、挿入の最後あた…

板平面化能力の獲得

ピッタシピタゴラにより治具精度調整を施した。概略設計により板の最終形状も決定出来ている。当然、どこに桟を入れるのかも決定している。 前回の短尺作業時、ホゾに桟を手で入れられる途中までの状態にての問題にも気が付いた。ホゾ巾に対して桟の先と元の…

ピッタシピタゴラ

さぁ、施工再開に伴い施工記録内容の再開、「ピタゴラスの定理」について書くぞ。 これを読む二人が、もし十代で現役学生ならば説明不要かもしれない。二十代以降ならちょっと怪しくなってくるかな。学校で習った事は使っていないと忘れてくる事は多いからな…

「木工道」岳で遭難

そしていよいよ蟻溝掘り。お母さんに抑えつけてもらいながら等して、極力平らな状態にした上でトリマを通していく。先に溝を掘ったのは、トリマテーブルで加工する桟の方が調整しやすいかも、と考えた為。 そのトリマテーブルにて、いざ桟に蟻ホゾを付けよう…

高価デカ板への鉋掛け

パイン集成材にて、最低限の自信は得たのでいざ本番。 桟材は、板材と同材か同硬度材若しくはそれ以上の硬度材、との事。タモは無い。適した寸法のカシも無い。と言ってカシを新たに買うと、乾燥や反り具合とかを見て、と日を要する。費用も要する。仕方がな…

締まり勾配蟻桟蟻ホゾ練習

無垢材相手の本格的木工作業はよく分からない。しかし、ここで消極的になっていては、石場建て土葺瓦屋根木軸土壁伝統構法家屋の施主施工などやってられない。あぁ、やるとも、やるともさ。 としても、数万円の板でいきなり本番、となると膝が諤々する。そこ…

「木」+「反る」=「板」

薪ストーブ周辺土壁の解体工事をしていた頃の晩、ふと思い浮かぶ。接ぎ板は大丈夫だろうか、と。 「木」に「反る」と書いて「板」。板は反る。一枚物ではなく接ぎ板と言っても同様のようで、対策を施しておかないといけない。それをすっかり忘れていた。脳内…