家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

施工:母屋土壁

繊維仕上壁の品位

いざ施工。漆喰で培った施工法にて仕上げていく。まずは元奥の間の小壁狭小部への再施工。 部分部分塗り法では、奥の間小壁の狭小部一面にコネコネコネっと凡そ30分。今回の通常法では、シャッシャッシャーと10分~15分。但し、泥の古色への固着を恐れて一面…

開き直り配合

この家に引っ越してから凡そ五年。本格的に施主施工が始まって凡そ四年。そして、最初の左官施工を行ってから二年強。この間、消極的には無数にあったが自らやるぞ、と成った事極僅か。カネが有るから、道具が有るから、材料が有るから、施工箇所が有るから…

土壁下地漆喰仕上施工、再戦。

平成29年の主たる大目標は薪ストーブ設置。長きに渡り鎮座しているコレが未設置の為、敷地内に溢れる薪や廃材も増えていくばかり。 もういい加減に避けられない。時は秋真っ只中。気温湿度共に十分。後はお父さんの気持ち次第。もう意を決した。ああ、やりま…

転進決定

さて、伝統的な漆喰施工については悩む日々はまだまだ続く。新建材下地を味わってしまうと、ただの苦行にしか思えない。 半間壁一枚を施工し終えるのに凡そ4時間強を要している。塗付所要時間は、相変わらず10分強。時間が掛かっても20分程か。砂漆喰と上塗…

これが世間一般程度と思しき「施主施工」体験

という事で、件の漆喰業者は高いから食材業者からコンニャク粉を別途発注。粉が余ったらコンニャクにして食べようっと。 施工面積が僅かな事もあり、水1リットル分にて作ってみる。この分量でだと、確か粉は5gだったかな。指先一つまみ、という量。重量比率…

「藁スサ入り泥土」とは違う「麻スサ入り漆喰」攪拌

付鴨居設置により一枚高壁を二枚壁にする事に成功。狭い場所で足場を工夫しながら四苦八苦して漆喰施工を実施。まぁまぁ許容範囲の出来上がり。 と思った矢先、またもやヒビ発生。んんん、もうイヤっ!! 既調合品である城かべ漆喰を使用する事で材料問題か…

付鴨居の謎、多分解明

周囲の中塗土や漆喰の仕上げを終えて薪ストーブを設置するのは、流石に五月中には出来るんじゃないか。そんな去年末の予定、いや、予想は大いに外れ。六月に突入したものの、中塗土再施工どころか漆喰に悪戦苦闘の日々。 甲乙丙のヒビ残存壁に手を付ける気は…

徒労感がヒドイ

城かべ漆喰を本格採用する為には、既に大量購入済である漆喰をどうするかに依る。まだ未定という事もあり、この漆喰の初期ヒビ実験は継続。実験と言っても、今までみたいに壁一枚にての施工の実験と兼ねず、配合だけの実験。よって、一部分だけに塗る事にし…

「城かべ漆喰」という材の考察

九回目の砂漆喰調合をとちってしまい、水引きを抑えられなかった。こうなると、翌日の指触乾燥後にはヒビ割れが乱れ散っているだろうな。と思いきやヒビが見当たらない。初のヒビ非発生という事だけでなく驚いた。 という事で、無理矢理仕上げた具合は綺麗で…

腹立だしい準備不足例

さて、左官先生のDVDを発見する直前、スサ量の疑いを晴らす策を考えてみていた。それは、本職御用達既調合漆喰を実際に使ってみる事。 スサの不足疑念は99%の確信を持っていた。本職動画にて、鏝板や壁に塗り付けられている材の具合を何度も繰り返し観察。…

左官先生との出会い

そして、手に入る。あれやこれや検索していたら見つかったのだ。しかも、左官職でも無いのに買えるとの事。これは非常に有難い。お父さん如きでは宝の持ち腐れになる物かもしれないが、そうなったとしてそれでも構わん。として購入したのだ。それが、本手記…

素人施主施工における伝統的工法志向症候群

八回目を終えた。使った漆喰は15kg程。他、珪砂もスサも糊も結構使った。金額にして凡そ一万円は行っただろう。一回目から八回目までの人工数は不明ながら、開始してから三週間程経過。 さらに、省略してきたが漆喰をこそぐ事に限界が出てきた。 下地の中塗…

遠回り具合が過ぎる

■同第七回目:丙面 〇主目的 ・砂漆喰の調合具合確認 〇施工方法 ・砂漆喰のみ一回塗り 購入漆喰材の調合具合確認の為、まずは砂漆喰から確定を目指す。砂漆喰は塗付後、早々に上塗漆喰に隠れてしまうので単独塗付だ。 そして翌日、何ら不具合が見当たらない…

メダカの前で漆喰材を見直す

六回目に来て前進したような、はたまた停滞か、或いは後退したような。漆喰検索していると、施主施工者の方の事例に当たる事がある。チラッと拝見すると、やはり新建材壁にシーラーやらプライマーやらを用いたり、そもそも漆喰ではなく漆喰調の材を用いたり…

漆喰にドライヤー

■同第六回目:同乙面 〇主目的 ・均等的乾燥実験 ・「押さえ」鏝圧実験 〇施工方法 ・乾き斑の強制解消実験 ・軽い「押さえ」二回 ・他、前回と同様 〇所要時間 ・今回、及び以降非計測 圧が強いと思われる押さえを行った結果、表面強度に強弱が出た事により…

敵の裏方は味方

ツバメとの根競べでは勝敗が付いたが、漆喰施工の勝敗は未だ付かず。いや、今の所は負け濃厚。 一歩進んだように思えたが、「押さえ」にて大きく後退した感がある第二の挫折。しかし、勝利に寄与するかは不明なものの、五回目にて乾き斑を無視して押さえた事…

「知る」から「分かる」へ

綺麗に平準に早く塗る。というのは左官職界では当たり前なんだろう。修行者がいる現場ではそういう話があるかもしてないが、インターネット上では見当たらない。それより多く目にした記述は「押さえ」という工程についてだ。漆喰施工最難関と名高いっぽい。 …

客観視点

■同第五回目:同甲面 〇主目的 ・糊の追加調合による検証 ・本職用中塗り鏝、及び仕上鏝の使い処検証 ・動画撮影による検証 ・「押さえ」実験 〇施工方法 ・砂漆喰による下塗り(本職用中塗鏝)、及び漆喰による重塗り(同左、仕上鏝) ・「押さえ」三回(仕…

我流への大後悔

■同四回目:練習漆喰面をこそがした乙面 〇主目的 ・部分部分塗り法から本式に ・糊スサの追加調合による検証 ・本職用中塗り鏝、及び仕上鏝の使い処検証 〇施工方法 ・見様見真似の全面塗り ・砂漆喰による下塗り(本職用中塗鏝)、及び漆喰による二度塗り…

素直だけど偏屈

あぁ、アカン。お先真っ暗やわぁ。 お父さんは、何に対して分からないものの憤慨。何事も上手く行かず、大した事が見い出せない非建設的失敗を繰り返す事が大いにストレス。強アルカリ性の漆喰の中に素手を突っ込んでぐるぐる回したり、立て並べ置いている鏝…

ちょっとした記述だけでは分からない

■同三回目:甲面 〇主目的 ・漆喰面に漆喰は上塗り出来るか否か 〇施工方法 ・一回目と同様 〇所要時間 ・一時間強 ヒビ等の不具合があれば上塗りすれば良い。この手の記述がそこそこある。これが叶えばヒビ問題に進展があるかもしれない、として実験。 塗っ…

鏝が突如重くなる

■同二回目:乙面 〇主目的 ・水引きに対応する方法の模索 〇施工方法 ・水道直結噴霧器による水打ち八回 ・糊スサの追加調合による検証 ・他、第一回目と同様 〇所要時間 ・第一回目と同様 漆喰はなかなか乾かない事が正解らしい。早く乾くようだと不具合が…

品質確保、凡そ数十分

■実験及び練習一回目:甲面 〇主目的 ・まずは漆喰というものを塗ってみる 〇施工方法 ・水道直結噴霧器による水打ち三回 ・砂漆喰の上、追っかけによる仕上漆喰(共に厚寸適当) ・部分部分塗り法の上、「押さえ」実施 〇所要時間 ・砂漆喰、上塗漆喰、各々…

漆喰塗りプロローグ

漆喰を塗るまだ前段階なのに、既に話が長い。写真も無く文字ばかり。読む方はしんどいだろうな、書く方もしんどいけど。答えだけ書けばお互い楽なのだけど、そうなると今度は漆喰施工がよく分からない事になるかもしれない。 と言うのも、お父さんがそうだか…

そして休業

漉し土を作った事で仕上塗りは進んでいく。もう実験はしない。これを本番として実験面は削り落としてやり直し。その他全面そのまま乾燥を待たずに猛進。 と言いたい所だが、この工程は非常に疲れる。仕上塗りという事だからだろうか。広くもない一面に対して…

中塗仕上塗り本格デビュー

さて、出来た練り直し漉し中塗土は如何なものか。それはもう劇的に塗り易くなった。こう言ったお父さんに対しきょうこは「私のおかげ」と言う。確かにそう、きょうこや皆の成果。 この漉し土を使う事で施工に諸々変化する。 漉し以前の土で塗る場合、小石等…

泥濘(ぬかるみ)

再度練習と実験施工。 二ヶ所目。一ヶ所目に施した寒冷紗を残した状態で再度塗るが不調。 三ヶ所目。泥砂藁水だけで挑むが、水を少な目にして実施。水を少なく、とは何と表現すれば良いだろうか。左官工の持つ鏝板の上のネタの映像を見た事があるだろうか。…

暗中模索号令

ハナから妥協しない。ハナから高みを目指す。そう意気込んで始まった施主施工。漆で頓挫、精神的リハビリにようやく蹴りを付けられたその時に初の左官仕上げ工程。あぁ無理、はい無理。と言ってもいられない。湿式工法はこの先も続く。そもそも本職に頼まな…

中塗り仕上げに don't stay tune

ブランド着てるやつ もうGood night Mで待ってるやつ もうGood night 頭だけ良いやつ もうGood night カッコええわと思う曲のサビの歌詞の一部。「もうGood night」は前後の歌詞から、「うんざりだ、もう寝てしまえよ」と解釈。この曲がラジオから流れて来た…

油紙の贈り物

書院跡の対処施工と並行して、例の亜麻仁油硬化待ちだった小壁の施工も進める。完全硬化とは言えずだったが待ちきれずでの再開。 竿縁天井撤去後の小壁に関する施工は、先に書いた梁束梁貫板や埋め木等の造作、それらと長押等への古色塗装、繊維壁の表層と下…