家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

施工:屋根

ハンダを舐めたら火傷した

さて、届いた「リン脱酸銅板0.4㎜」。略して「銅板」。開梱、まぁキレイ。10円玉にサンポールを付けたCMを思い出す、二人は知らんだろうが。 これをチョキチョキしてカンコンカンコンしての部材作り。これで午前中一杯。時間を要し過ぎ。この時点で、予定の1…

情報化社会での価格

屋内に雨が降る様な事態になったのは、ひとえに雑な雨養生が故。では、何故雑にしたかと言うと、チムニーの雨仕舞施工がもっと短期に終わると読んでいたから。その為に倒木処理作業の予定も入れてしまった、屋根に穴が開いたままなのに。何の工期を読み違え…

室内明るさ考

それを経ての野地バラ板の切断、そして開口。すると、母屋二階が見知らぬ空間になった。明るくなったからだ。この前後の違いには驚いた。 家の中は明るい方が兎に角善。そう考える女性は多そうだ。家探し初期の頃のお母さんも例外なく。 昨今の戸建住宅は庇…

天井施工前の瓦屋根メンテナンス

キッチン勾配天井施工に先立って、上部にあたる下屋のメンテナンスを行う。 メンテナンスとは、例のごとく瓦の隙間の堆積物除去だ。書けば簡単、やるのは面倒。コーキングを切っていくという、非常に腹立だしく無駄で億劫な工程がある為、疲労度4倍増しだ。 …

大屋根探検

該当隅棟のトンネルにいざ参ると案の定。原因究明が出来て安堵感一杯。 ←屋上緑化状態 腰袋に入れておいた棒なり刷毛なり諸々使って清掃。隅棟に限らず、降棟全体に堆積物アリ。もちろん撤去。ついでに、と他の三隅も点検。当然ながらそれなりの量の堆積物。…

雨漏りパニック

連日続いていた二階床捨て板の仕上げ作業。今日も二階作業だ、と上がったある日。作業していた西側とうって変わって、閑静ささえ感じる東側土壁にふと目をやる。異変がある。「まさか…」と思いつつ土壁の異変箇所を触ると、そのまさか。雨漏りだ。前日は雨だ…

古規格瓦の対応方法

仮住居となる門屋の屋根補修を緊急着手。 恐らく凍てと思われる割れたは瓦は、平瓦が主で軒瓦は1枚。何枚割れていたか、軒瓦は残っているが平瓦写真は見当たらない。平瓦が5枚ぐらいだったかな。 門屋は、母屋より古く昭和10年代築。新築以来の瓦かもしれな…

門屋、雨漏、天井、腐朽

既に施工に着手している、母屋二階の造作解体や土壁厚調整は終わりかけ。そろそろ生活拠点を母屋一階から門屋に移さないと、これ以上は進みにくい。機は熟した。お母さんは荷造りし、門屋内の居室の片付け準備に入ってもらう。さて、どう住むか。 と門屋内で…

このご時世、無知さは罪

翌朝も雨ながら強くはないので対応する事にした。枡の詰まりが原因のはず。棒と撤去電線を持って行く。枡に手を突っ込んでも多少の落ち葉類が取れるだけで改善はしない。棒を突っ込んでも知れている。大屋根の雨が軒樋に流れ、集水器である枡から呼び樋、竪…

枡から滝水

軒樋穴埋めを終え、次は縦樋。中から手を入れてシールを貼れない箇所がある。そこは外からグレーの変性シリコン(コーキング)を塗布。 それにしても、以前に行われたコーキングが汚い。以前の所有者が行ったのか業者が行ったのか、これについては分からない…

全軒樋穴塞ぎ実施

大別の三つ目であり最後、施工業者への不信感と怒りだ。 入居後すぐに行った事は、母屋と門屋の瓦屋根の状況把握と軒樋の掃除。この時に、門屋の瓦が複数枚割れている事、銅製の軒樋縦樋に穴が開いている事を認識していた。しかし、先述の通り意識が低いお父…

屋根補修工事の施主施工の選択肢

お父さんの答えは新たに産まれたもう一つの選択肢、「自分でやる」だ。将来的には依頼するかもしれないが、施主施工で急場を凌ごうと。 二社の業者氏には、無知なお父さんからすると非常に有難い事を教えてもらった。 一つは、屋根の漆喰が後から上塗りされ…

施主の熱い想いが歴史を紡ぐ

二社共、既存瓦を使うのは却って無駄だという姿勢。その時にこう思いました、お父さんは。 お父さんが以前の職の一つの職務として、図面一式から材料の拾い出しをしていた。それを上司に提出。するとその上司は、各項目に対して一定の掛け率を設定。その合計…

瓦屋根補修工事の見積額

お父さんは、瓦屋根の改修予算は100万円程度しか見ていない。他県業者氏のサイトでも、門屋に近い切妻屋根の参考価格を掲載していた。それが100万円ちょっと。雨漏りしている母屋の下屋は補修程度、不具合が多い門屋屋根は全葺き替えを目論んだ。さすがに予…

土葺瓦屋根施工業者探しの開始

大別の二つ目、瓦屋根への無知からくる畏怖、思考停止、意識の低さを痛感した事。施工業者との関わりも含めて述べたい。 土葺瓦屋根の優れた性能や機能から、雨漏り対応として葺き替えるのなら同工法と確定。施工者はどうか。土蔵の傾き補正工事と同じくあま…

土葺工法は類まれなる優れたフレキシブルなシステム

お父さんが特筆したいのは土葺の断熱性(蓄熱性)ではない。現代はこれに取って代わるような色々な断熱建材がある。それよりも、他の屋根建材が土葺瓦屋根に取って代わられない事、それは土葺により瓦が容易に外せる事。胸を鷲掴みされた。交換等のメンテナ…

土葺工法の衰退

さて、「重たい屋根はとにかく悪い」と思っていた一人のお父さん。この家についても、瓦をやめるのは意匠的に否なので、せめて土葺はやめて空葺の瓦屋根にして軽量化した方が良いかも、という程度の認識。 関東大震災以降、東の方では土葺が廃れていったらし…

重たい屋根の常識、非常識

ようやく屋根について語られる段階に来た。この時を待っていた。お父さんがこの記録を二人に文章で残したいと直接的に強く想ったのは、樋も含めた屋根についての事柄からだ。そういう事もあり、この話は非常に長くなる事を覚悟して欲しい。 大別するならまず…