家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

建材:塗料

床板漆仕上げ塗り

おばあちゃん発言を引き摺りながらも、立ち止まる事は許されない。しかも、そろそろ四月が終わる。そうこうしていると梅雨。漆に大敵な梅雨。季節の移り変わりもお父さんを容赦しない。と自分の尻を叩いて行うのは床板材の摺漆。漆を引き摺ってやるんだ。 こ…

足場資材が欲しい

もういい加減に高所作業は嫌だ。お母さんならずとしても高所作業が続くとそう思う。今から考えると、足場材を幾つか購入していても良かったかもしれない。施工が進む程、使用箇所が減ってコストパフォーマンスが減っていく。どうしよう、現段階で真剣に検討…

不安定施工

板の加工工程の次は仕上工程へ。要は古色塗装。 まずはヤスリ掛け。いつもの120番からの240番の二回掛け。広い面は特に問題無い。ギリギリ見えるかという木端部は、ベルトサンダーではちと面倒。なので、何枚も重ねて木端部を広くして。 そう思いきやここで…

「別にいいや」

施主施工をしているのは、平たく言えば節約の為。それだけでは施工品質を長期に維持する事は困難。まぁ、良し悪しとかのレベルではなくそういう事なのだ。チムニー施工はその凝縮。 先に掲載したチムニー内部写真。そこに映る内壁はケイカル板。煙道火災に備…

素人施工のダメな所一例

漆塗りに資材在り。下地用生漆2kg、摺用上生漆0.9kg、MR透漆0.4kg、灯油2.5kg、拭き紙50枚、砥粉と小麦粉と木粉と麻と油と洗剤少々、そして水大量。母屋一階一部床板にこれだけ要す、お父さんの摺り漆。 以上が大体の資材の量。では、一回目塗りで平米面積当…

棚式簡易漆室造作

この床板漆塗り施工。長尺材の塗装作業の場所としてはどう考えても無理がある。埃が舞う事が一つ。だが、これは無視する。将来の施工後塗り直しでも条件はどうせ同じだし。問題は硬化の為の置き方法だ。理想としては、一枚一枚をバラで立て掛けて置いておけ…

床板馬鹿塗り

いよいよ床板への漆塗布。ここに至る迄は長く、ここからもまた長い。 まずは、木地へのヤスリ掛け。埋め木の平準も兼ねているので、強力なベルトサンダーを用いての120番と240番の二度掛け。ただただ掛けていく。ただただ。これだけで三人工弱は掛かっただろ…

天板巾木を作る

隙間を錆漆にしようが、天板設置基準をどこに置こうが、巾木材自体の施工法は壁面への後付けしか考えられなかった。 天板設置前に巾木が付いていると、天板を斜めにしながら行う設置作業が不可能だった。天板を嵌め込めないか、巾木が天板から破壊の上で外れ…

錆漆もやる

下地漆作業はまだ続く。次、以前にも書いた事がある錆漆の登場。 何故錆なのか、とは分からない。用途はやはり欠損部等に埋める充填材。刻苧がコンクリートなら、錆漆はモルタルだろうかね。滑らかであり、小さい欠損部等を埋めたりするものらしい。強度は刻…

刻苧をやる

漆、漆、寝ても覚めても頭は漆の事ばかり。漆アレルギーだけでなく漆ノイローゼ。謎の膨疹発生からは軽く漆トラウマ。ヤダなぁ、痒いなぁ、怖いなぁ。未だ捨て塗りが終わっただけ。漆本塗りはこれから。なのにもう飽きたなぁ。ここの所ずっと漆そのものか漆…

厄年も なってみないと 分からない

さて、選ばれし民らしいと分かったお父さんは、キッチン天板漆塗布施工中に漆防護を簡易にしていた。綿埃の懸念が高い事と暑さから、防護用としていた綿の長袖ではなく半袖シャツを着用していた時の事。肘当たりに生漆を付着させてしまった。 もう慌てる必要…

漆神の申し子

漆の特徴やら特性について度々触れてきた。しかし、大きな特徴なのに書いて来なかった事がある。それは、かぶれる事。 お節介さを感じる事がある日本の法令だが、漆かぶれは有名なのにこれを手当てする程の必要性を求められなかったのだろうか。厚生労働省が…

妥協との折り合い

硬化と作業を分ける妙案が思いつかないまま、三回目捨て塗りを実施。所要時間は3時間弱。漆使用量は110g。 時間も漆量も減った。それほどに木地が順調に漆を吸っている、又はお父さんの技術が向上しているのか。そういう訳では無いと思う。と言うのも、漆に…

「漆の硬化条件」と「漆塗りの作業条件」

三回目捨て塗り前に立ち止まってみる、起承転結の「転」にすべく。 まずは、目指すべく鏡面仕上げになりそうな下地状態に近づいているのか否か。 鉋で真っ平は一応目指してみた。「木目」の目に当たる年輪箇所と、それに挟まれた身の箇所、これら共に平らに…

手を変え、品を変え

捨て塗りと水砥ぎ。共に経験した。結果、混乱と恐怖。大工でなら鉋、左官でなら鏝。一見、単純そうな道具と使いこなし方。でも違う。漆も同じだなぁ。やってみると分からん事が溢れ出した。「起承転結」でなら「起」か。でもこれ、「結」に辿り着けるのか、…

一回目捨て塗り後の話

板が反り直っている内に裏面塗布実施。懸念していた裏面塗布。あぁ、しんどかった。漆は刷毛を伝わり流れ落ちてくるし。所要時間はやはり凡そ2時間弱。表面と併せて一回目捨て塗りは4時間弱も要した。 板反りは終了時には取り合えず無し。暫く様子見。 この…

漆塗り、いざ開始

師匠のサイトを何回閲覧させてもらっただろう。木工家の方のサイトなのに木工記事には脇目もふらず、漆塗りのみで20回は下らんだろうか。イメトレは出来た。道具に続いて材料も揃えた。 ちなみに、漆を使われる方の漆容器に多そうなのは金属チューブ。この方…

漆色の経年変化

さて、漆実験での塗り方は、最上段から最下段に向かって塗り重ねて行っている。漆や柿渋を布につけて塗布し、それを拭き取り乾燥硬化をさせる。次の塗布箇所に、ザラつきを落とす程度に細目粒度の紙ヤスリを軽く掛けて固絞り雑巾で拭き取り。雑巾水の乾燥後…

お母さんは「MR」ではない

そして最後の「MR」。医薬情報担当者の事でもなければお母さんの事でもない。お母さんはARであり、ここでの「MR」とは「MR透漆」の事。この説明をついでにしておく。 漆の名称にアルファベットとは違和感ありまくりだが、偽漆ではない。近年出てきた透漆らし…

漆実験サンプル板補足説明

これは漆実験にはすこぶる都合が良い。それはまさしく荒材という所。漆塗布をする木地の加工はどこまで手を抜けるか、これも知りたいから。 というわけで、それらの板に鉋とサンダーを掛けたが、これはしっかりと掛けていない。そこそこだ。板面に凹みがあっ…

めんどくさがり

実験に際してまずやる事。漆を塗る為の板の用意。あああ、めんどくさ、めんどくさ、めんどくさ。これだけでもう床漆仕上げなんて止めてしまおうかと思う程、まだ漆に本腰ではないお父さん。 いやいや、もう古民家先輩に言ってしまった。ここで撤回しようもの…

漆のハテナ

お父さんの知る油性塗料の下準備法として、削ったりして地を荒くしておく。塗料が引っ掛かり剥がれにくいようにだ。漆は油性塗料だ、みたいな旨を古民家先輩は言っていた。ならば、サンダー仕上げにしておくべきか。 一方、漆は木材浸透塗料、と解釈出来る旨…

急遽の選択

何だか変な感じで理想的とは言えない経緯や動機にて、床板漆施工の急遽の決定。この「急遽」というのがこれからじんわりと、モノによっては激しく問題を発生させたり影響を及ぼしてくる。お父さんの今までの人生で、急遽にした選択や決定で良かった事はあま…

「怒りスイッチ」再活用

古民家先輩は初めてのフローリング施工。それ以前に、初めての施主施工でありそもそも全く畑違いの学校を卒業され、職種も全くほど遠い。なので、思い付きか真剣かはさて置いて、提案する事自体をお父さんは悪い事だとは思っていない。先述したように、知ら…

漆の工程問題

貼ってから塗る方法を採る気にならない理由はまだある。「塗り工程」の問題だ。 漆の硬化条件は温度が25℃以上、湿度に至っては90%以上にもなるとの事。これは各記述によって差はあるようだが、大体が中温多湿環境が必要そうだ。以前にも少し触れたが、日光…

現場感覚

古民家先輩のお父さんへの床板の漆施工提案。良いと思うのなら自己責任でやれば良し。実際にどうやって施工するかは自分で考えろ。嫌ならやらなければ良し。提案するだけならタダ、良かれと思っての好意で厚意な行為だってんだ。 彼がそう思ったとしても全く…

一世代の割り切り

「塗り直しメンテナンス」はどうなのだろう。 亜麻仁等の油塗料だと、当初は一年毎、暫くして二年毎、それからは三年以上毎、ゆくゆくは縁甲板のような風合いになって放置、かな。ああぁ、面倒臭いしやりたくない。塗布面積からして、家具移動等を含めて二人…

綺麗な漆床で死にたい

では、塗料としての「性能・性質」面はどうなのか。 一番比較しやすいのはウレタンと思う。ウレタン仕上げの床板材は前住居で体験済だ。無垢材床板の保護を最大動機として、前住居での前施主施工時に採用した。 この比較で問題になるのは、触感、肌触りかと…

床板漆施工への投資意義

信州現場からお土産を頂く。古民家先輩が塗った漆板の端材だ。お母さんにこれを見せると、お父さんと同じような「ふぅ~ん」というような反応。彼の好意と投じた時間費用は残念ながら効果薄。この時点で「見た目」要素は完全に無くなる。 彼の施工床以上の見…

不埒な助っ人

古民家先輩からの漆教入信勧誘から数日、漆の事が頭から離れない。仕事をしていようが、施工をしていようが、食事をしていようが。よく分からない物を頭の中だけで考えても、大した答えなど出ない。だけど夢にまで出来きた。 この時点でこりゃ駄目だと彼に連…

昔はブイブイ言わせていた

さて、彼とのこの事と、漆提案の無碍な却下が出来なかった事と何が関係するのか。 理解されないだろうが、お父さんは感情移入していたのだ。 彼は自分の矛盾等を承知していた。それを開き直っているのなら馬鹿者に過ぎないが、葛藤や苦悩をしてきただろうし…

理想と現実との衝突

それほど腰が引けているのなら断ればいいじゃないか、と思うだろう。誤解しないで欲しい、断ろうと思えば断る事が出来る男だぞ、お父さんは。ただ、説き伏せる術と姿勢が弱かったんだなぁ。 何度か書いたユニットバス施主施工というものは、彼に勧めた事があ…

「漆教」勧誘

キッチン天板の漆施工について話を進める前に、床板仕上げ材についても触れておかないといけないなぁ。文量が多くなるわ。大人のたしなみ、そして親として書きにくいわ。そんな迷いがあるものの、この手記の性格上から、そして今までの内容からしてもこの件…

漆の需給と国防

さて、漆とは何ぞや。以前にキッチン天板選定時の内容で触れた以外で、お父さんなりに学んだ事をかいつまんで書いてみよう。 漆の用途と言えば食器や盆等の台所にありそうな用品や、木製小物や家具等の工芸品塗料として思い浮かぶのではないか。以前に書いた…

ミーハーを踏まえた差別化

では、天板は木地で行くとしても漆でなくともええんじゃないか、とは思わなかったか。はい、あまり思いませんでした。 漆に匹敵する塗膜材となるとウレタンがあるようだ。漆について調べている過程で、ある木工家の方のブログに行き着いた。その木工家の方は…

漆 vs ホーロー

さぁ、いよいよキッチン天板へ漆塗りを行うのだ。本構想準備期間は一年強。施工なんかの行動や結果もだが、そこに行きついた計画等も大事と考えるお父さんにとって、その期間に触れない訳にはいかない。 何故、キッチン天板に漆を使う事にしたのか。それは以…

古色塗料変更

柿渋とは、昔は比較的安価な塗料だったらしい。渋柿があれば良いので自宅庭先で造られていたりもする。それら入手の容易さから、昔から高級塗料である漆や油の代替、又は漆の下地塗料として使われてきた。 そう、油は今もだけど昔も高かった。いや、今よりも…

古色塗料再考

それにしても、古色等の木部塗装材については意外に手間取られてしまっている。じっくり考えてみた。 古色塗料を弁柄に松煙墨だけでなく柿渋も同時混入して作ったのは、柿渋後塗り方式よりも手を抜く為だ。そうすると、マット感が尋常じゃない。柿渋後塗り方…

煮亜麻仁油作り

まずは、本当に古色は漆喰へ滲むのか。目線が行かない高所にて実験。数日後に確認、滲んでいない。 どう考えるか。滲んだという方は、古色の乾燥を待たずに漆喰塗りするようなぐうたらな方ではなさそう。じゃぁ何だ。確か古色を完成品として購入されていたよ…

水と柿渋と弁柄と油の事

埋め木作業が終わった事で、新たに買った柿渋で古色を作って塗装作業。古色だけだとマット感があるので、キッチン勾配天井と同じく亜麻仁油塗り重ね。既存部との差異が出るので、既存部にも亜麻仁油塗布。 さて、この亜麻仁油塗布。マット感を抑えるという見…

「要観察」

「要観察」。この言葉が使われるのは、原木の天然乾燥にだけではない。自然素材を主建材として使うだけに、本施工においては他にも幾つかある。その一つが柿渋原液。 柿渋は固まる。空気に触れる事で固まる。乾燥による含水率低下に依るものか、空気中の成分…

亜麻仁油登場

諸々の作業と並行して、お母さんにはキッチン新設壁木部への古色塗りを行ってもらう。この周囲の、特に足元の木部は、強めの北風により雨が当たる事が多い。直射日光が無い為か木痩せはあまり無いけども、既存古色が薄くなっている。新設木部だけでなく既存…

キッチン天板発注:先輩のお土産続編

天板材種が決まった後に訪れた長野の古民家先輩の現場。思わぬお土産話を幾つか貰ったが、現時点で良くも悪くも結果的に強烈になっているのは「漆」を建材として使うお話。先輩は断念されたのだが、一部かの床板に使用する事を検討されたらしい。漆と言えば…

柿渋混合古色塗装方式の選定理由

ただ、三代目古色容器も使い勝手以外で問題が無いわけではない。 柿渋販社の説明に、柿渋は密閉容器でもゲル化する旨の記載があった。柿渋原液は、春夏を超えて秋でも液状のまま。しかし、冬になるとどうか。少なくとも、密閉には難がある三代目古色容器内で…

曲者の柿渋原液容器

三代目古色容器を見て、もしかして「柿渋を都度都度混ぜれば簡単なんじゃない?」と思うだろうか。説明していなかったのでそう思って不思議はない。これが簡単ではない、というか面倒なのだ。容器蓋の開け閉め以上に。 お父さんが発注した柿渋は結構量があり…

「三代目古色容器」製作

キッチン新設壁施工の最中に、作り置き古色が無くなった。これにより施工は中断、三代目古色容器の製作に急遽着手。 二代目の果実酒ガラス瓶では白カビが発生する。白カビが乗っている膜は柿渋が固形化したもの。白カビを除去する過程で柿渋も除去され、また…

柿渋は カビが生えるし ゲル化する

古色、柿渋と顔料と墨の混ぜ物。この塗布を一度に行うのであれば何ら問題ない。だけども、木工事をする度に、一つの木を加工し取付る度に塗布作業が発生する事が多い。なので、使い勝手を良くしたいと思う次第。 ペットボトルを容器にすると、容器が着色され…