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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

水引きとシーラー

左官は水との闘いだと表する文言があった。非常に低次元で異次元ながらこれを味わったお父さん。 目下予想される最大の課題は「水引き」。一体、本手記において幾度書いただろうこの単語。本職が試行錯誤されるものを、中塗土にでさえ錯乱してきたお父さんが…

だけど糊を侮ってしまう

二日後、新たな疑問。張って置いた水はどうするのだろう。 購入先サイトでは、余分な水は捨てろと書いてあった。しかし、この水は捨ててよいのか。糊が混ざっている水じゃないのか。それを捨てるという事は、糊の含量が減るという事ではないのか。よし、混ぜ…

粒子を侮る事勿れ

さて、材を混練りする作業。もしかしたらこれで失敗をする者が、子孫の内にいているかもしれない。何せ、先祖自身がやらかしたから。 漆喰に限らずセメントでも泥でもそうだが、程良い粘度はいきなりやって来る、と思う。 何て言うのかな。検証した事が無い…

たかが糊、されど海藻糊

そして最後に、糊の事。これは今までの土壁に無かったな。 いや、正確に言うと、藁からのリグニンがこれを担っていたのか。土佐漆喰と同じくで。スサを麻と称した物や紙の繊維をスサ材として使う場合、別途で糊成分を要するようだ。 この目的は、消石灰の細…

多重人格

施工者としては漆喰仕上は非常にやりたくなくなった。施主と設計者としては依然として漆喰仕上。お施主さんと設計の先生がそう言うんだから仕方が無い。お父さん、多重人格じゃなかろうか。 そう言えば、個人の施主が諸々段取りと調査等をした上で、左官職に…

漆喰にまつわる諸々の容易

さぁ、さぁ、やって来ました。不安しかない左官工程最大の壁、土壁への漆喰仕上塗り。不貞腐れていては到底越えられ無さそうな壁。それにしても、中塗り下地塗り開始からほぼ一年経過でようやく仕上げ開始。短工期が貴ばれて久しい現代にこの長工期。嫌にな…

床板漆仕上げ塗り

おばあちゃん発言を引き摺りながらも、立ち止まる事は許されない。しかも、そろそろ四月が終わる。そうこうしていると梅雨。漆に大敵な梅雨。季節の移り変わりもお父さんを容赦しない。と自分の尻を叩いて行うのは床板材の摺漆。漆を引き摺ってやるんだ。 こ…

裸の施主施工者様

本道の方の電気工事は、我ながら何とも心許ない内容となった。 南側薄壁の厚さに比べてPF管が太くて一部使えない。よって、その間は細い塩ビ管を使う事にした。この固定がまたもやビス挟み留め。手で軽く動かそうとしても大丈夫そうだが、電線交換時に電線を…

お母さん、案を出す。

書き忘れがあった。柱を建てる前、鴨居の建具の溝の一部を埋めてみた。 これは、鉋掛けした棒をただ溝に嵌め込んだだけ。軽く接着剤を付けたかもしれない。 この溝は矩形ではない事から矩形の棒は入らない。ならば、見え掛かり部だけで良し、という事で棒は…

配線計画が無い事のツケ

現場置き建材消費を進めて行く。目下の所、使い易くて邪魔なのは胴縁材。よし、壁を造ろう。そう思って始めたものの、合間作業としてはややこしい壁。 ダイニングとトイレを仕切る当壁の北側は、壁掛けテレビ設置予定箇所。電源供給と電波供給が必要。南側は…

隠蔽工作

土壁に隠蔽配線。これは後から不可能。 既存土壁内配線方法は金属管埋設。これは入居時点で全て廃線となっており、金属管内の布被覆配線は引っこ抜く事さえ出来ない物が多かった。よって、後年の家人はビニール電線の露出配線を選択したわけだな。これを選択…

能書き不要な事はある

中塗実験乾燥待ち中や、中塗の漉し土の沈殿乾燥中等には他の作業を行う。一つは解体。元現場事務所であり、新規キッチン奥の食品庫予定地の押入れ。また、元北側縁側縁甲板と根太撤去。 これら何てことない作業だけども、以前から少し不思議に思っていたのは…

そして休業

漉し土を作った事で仕上塗りは進んでいく。もう実験はしない。これを本番として実験面は削り落としてやり直し。その他全面そのまま乾燥を待たずに猛進。 と言いたい所だが、この工程は非常に疲れる。仕上塗りという事だからだろうか。広くもない一面に対して…

中塗仕上塗り本格デビュー

さて、出来た練り直し漉し中塗土は如何なものか。それはもう劇的に塗り易くなった。こう言ったお父さんに対しきょうこは「私のおかげ」と言う。確かにそう、きょうこや皆の成果。 この漉し土を使う事で施工に諸々変化する。 漉し以前の土で塗る場合、小石等…

いつか来た茨の道

ヒビが出ない、かもしれない方策をお父さんなりに考えてみた。 一つは砂を追加する事。泥の粒子の割合を減らすとも言う。泥を減らせば含水量は減る。そうすれば乾燥収縮が減る。感覚的に分かるかと思う。荒壁から仕上げに近づくにつれこれを実行。実際にヒビ…

泥濘(ぬかるみ)

再度練習と実験施工。 二ヶ所目。一ヶ所目に施した寒冷紗を残した状態で再度塗るが不調。 三ヶ所目。泥砂藁水だけで挑むが、水を少な目にして実施。水を少なく、とは何と表現すれば良いだろうか。左官工の持つ鏝板の上のネタの映像を見た事があるだろうか。…

暗中模索号令

ハナから妥協しない。ハナから高みを目指す。そう意気込んで始まった施主施工。漆で頓挫、精神的リハビリにようやく蹴りを付けられたその時に初の左官仕上げ工程。あぁ無理、はい無理。と言ってもいられない。湿式工法はこの先も続く。そもそも本職に頼まな…

中塗り仕上げに don't stay tune

ブランド着てるやつ もうGood night Mで待ってるやつ もうGood night 頭だけ良いやつ もうGood night カッコええわと思う曲のサビの歌詞の一部。「もうGood night」は前後の歌詞から、「うんざりだ、もう寝てしまえよ」と解釈。この曲がラジオから流れて来た…

油紙の贈り物

書院跡の対処施工と並行して、例の亜麻仁油硬化待ちだった小壁の施工も進める。完全硬化とは言えずだったが待ちきれずでの再開。 竿縁天井撤去後の小壁に関する施工は、先に書いた梁束梁貫板や埋め木等の造作、それらと長押等への古色塗装、繊維壁の表層と下…

建材と思い出を再生した工事

枠が出来た、という事で縦板入れて竹木舞を組む。写真を見ると、やはり格子壁はいいな、と浮気心がムクムクする。グッと堪えてそのまま久々の荒土塗り実施。 で、ここからまた寄り道作業発生。保管荒土が微妙に足らずに確保するのだ。これがあるので、当該壁…

横短材回転

はい、次。東半分側の腰壁の横材を入れる施工。こういう材の名称って何と言うのだろう。「腰壁天端材」でいいか。この材についても不甲斐なさに見舞われる。 柱は購入材を使用したが、当材は材確保から。どうにもこうにもストックに良材がもう無い。本当に良…

十字材回転

計画は出来た。いざ実行。毎度ながらの木材回転入れ。素直に普通にガツンと柱等を入れたい所、そうは問屋が卸さん改修工事。あれやこれや考えた挙句、当該箇所の東西を分ける柱は上部をホゾ、下部は雇実とした。 上部を中心として回転差しの上、最後に下部を…

埃の設計

ただ、この方向でずっと検討していたが、決定にはなかなか至らない。それは、どうやって作れば良いのか見えないから。 構造に寄与する木組み方となると精度が求められるはず。その自信が無い。さらに、この格子壁は通風させたくない遮断壁。となるとガラスを…

お父さんの建築嗜好

長々と書いたのは、まだ当該箇所の西半分の壁の事だけ。より時間を要して悩んでいたのは東半分の壁。 お父さんは日本建築が特段好きだったとかでは無い。現代日本建築はよいそうでは無い。どちらかと言えば近代西洋建築が好みなんだな。それを自覚する前で単…

木造軸組工法と木造壁式構造

ターゲットは書院があった所。ここに壁を新たに設ける。 → 初期からある時期までの設計では、当該場所に何かしらの壁は設けるには違いないが、一部用途が違っていた。書院が無くなる事で、南側縁側の西奥が無為の場所となる。よって、書院西半分側は中庭植栽…

なってみないと解らない。

修繕程度や一年程度の短期ならまだしも、長期の素人施主施工では継続力が課題になる。これはお父さんぐらいなのかもしれないが、予想外だったと思う事度々。まぁ、こんな事を事前に考えておけるぐらいの立派な大人じゃなかったわけで。せいぜい数ヶ月先の施…

長期施主施工は勧めない

とここまで書いてようやく思い出した、もう一つの「き」。それは「動機」だわ。 ちょっとした修繕から大規模改修、新築工事や再生工事。建築物に手を入れたり新たに設ける事を考えた場合、一般的にはそれらを手掛ける本職に依頼する事を真っ先に思い浮かぶ。…

お金は必須、の思い込み?

五つの「き」と書きながら四つしかない。一つ忘れたのよねぇ。忘れるぐらいだから大した話じゃないんだろうなぁ。もしかして、その忘れた「き」は「金銭」とか思っただろうか。 これは施主施工に必須かと言われればそりゃそうだ。材料買いにガソリン代はいる…

五つの「き」

唐突ながら語り事を書く。 施主施工二件目とカウントしながらも、一件目はこの家の施工の前では霞む程度の代物。そして二件目のこの家は未だ途中。素人施主施工者の頂点に立つには程遠い。頂点とは何かは分からんが、そんな道半ばのお父さんながら施主施工に…

足場資材が欲しい

もういい加減に高所作業は嫌だ。お母さんならずとしても高所作業が続くとそう思う。今から考えると、足場材を幾つか購入していても良かったかもしれない。施工が進む程、使用箇所が減ってコストパフォーマンスが減っていく。どうしよう、現段階で真剣に検討…

他言無用

梁束梁貫板材加工と平行して行っていたのが、当該施工場所の美装作業。要は清掃。 今までや今回の土壁削りの施工等で見事に砂埃が堆積。中塗仕上施工による中塗土が接する木部は、先行して綺麗にしておかないと後に非常に面倒になる。なので、そこそこ面倒な…

不安定施工

板の加工工程の次は仕上工程へ。要は古色塗装。 まずはヤスリ掛け。いつもの120番からの240番の二回掛け。広い面は特に問題無い。ギリギリ見えるかという木端部は、ベルトサンダーではちと面倒。なので、何枚も重ねて木端部を広くして。 そう思いきやここで…

施工内容よりも注意事項なのだ

板材が出来上がった。本職や一般的施主施工者は多分ここからスタートしている。キャリア試験に合格した官僚も一足飛びの階級でスタートするらしい。ノンキャリアのようにほぼ底辺からスタートするお父さん。人工を惜しんでお金を惜しまない本職や一般的施主…

社会の役割分担による専門化等の有難さ

この年、農家の方から罠にかかった猪肉を分けてもらう機会があった。きょうこは覚えているかもしれないな。 猪は、我が家でスーパーで買うレベルの普通豚と違う。噛み進めると口に入れた最初に感じた調味料の味の向こうに、これが肉だと感じる味がやって来る…

伝統構法長期自然材多用施主施工の特有スキル

単なる家主と違って見れば見る程萎える長押。では残そう、と思うのは施主施工者として自然な心理だと思う。但し、どう残すかがまた検討課題となる。と言うのも長押裏が見える改修だからだ。 それは階段の存在。今までの2m未満の生活視線なら気にならなかっ…

立ち塞がる日本建築様式材

梁束梁貫仕様に決定したとしても、全体的には間違いなく伝統的日本建築様式の破壊中な事には変わらない。破壊話の流れでもう一つしておこう。それは「長押」について。「ながおし」と書いて「なげし」と読む。木地のままで鴨居の上に付いている板材を指す。 …

梁束梁貫仕様の因数分解

では、梁束梁貫仕様にすれば良いではないか、とはならない。それはそれでゾッとする。出るか出ないか分からないヒビと、確実に施工負担増大する仕様変更。なかなか決断に至らない。こういう時は思考の因数分解。 梁束梁貫仕様にしない場合。要は、小壁が大き…

ゾッとする話

さて、話を戻そうか。竿縁天井解体後の小壁施工についてだな。想定よりも長い工期になっている事にも絡むので、寒さや加齢以外の本筋の話をしておこう。 まずは当初計画。当該箇所の施工について、設計段階から繊維面を撤去した後にそのまま中塗土仕上として…

遺産樹についての遺言

ドングリから育てたこのシラカシ。もしかしたらアカカシかもしれないが、多分シラカシ。最樹高のものはとうとうお父さんの身長程になった。なので多分、この手記にてこのシラカシの事を書くのはこれが最後になるのではないか。という事でこの機会に遺言して…

北側傾斜地地盤強化の為の追肥施工

もう一つの合間の「施工」は、北側傾斜地のシラカシについて。植栽について「施工」と書くのはおかしいと思うかもしれない。しかし、お父さんにとっては植栽を楽しんでいるわけでは無い。将来の薪材を作っているのはオマケ要素。主目的は北側傾斜地地盤強化…

現場保守管理

中塗土による仕上げの左官も施主施工。そう決定したものの、予想よりも遥かに長い工期を要している。 着工前で逃亡社長がまだ逃亡していなかった頃。おじいちゃん建築士は、着工は日が長くなってからが良いと言っていた。その方が施工者の一日作業時間が長い…

単独施主施工へ邁進

漆喰採用理由話は残念ながらまだもう一つある。施主施工向け建材と見たからであり、お父さんにとっては結構重要だ。 「当社は施主施工を応援」とか謳って実の所、漆喰を施主に塗らせるだけの施工業者が複数ある事に触れた事がある。これは逆に言うと、ズブの…

初めて思い浮かんだ漆喰の実用性

漆喰の歴史的お墨付き建材として地位説明に乗じて気管に絡んだ唾を吐く内容になってしまったが、採用理由をちゃんと書いていなかったな。 まず見た目。古色柱梁に囲まれた白い壁。コントラスト。これ。個人の好みの問題だ。繊維仕上げにしなかったのは同じく…

吐かれた唾を吐き返す

手間と費用。リビングダイニングの壁仕上材を施工面と予算面から選んだが、ついでに他の居室も含めてその他の面についても説明しておこう。 土壁中塗仕上げの梁上小壁は、元々は繊維壁を含めると、リビングダイニング以外には大玄関と奥玄関と南側の縁側、そ…

改修工事ならでは問題

さて、お母さんが砂埃まみれになって行っている作業は何かと言うと、土壁剥がし。土壁解体ではなく剥がし。中塗土だけを取り除いているのだ。お父さんも同様の作業経験がある事を踏まえて頼んだ。いつもの如く、単純だが時間を要する作業だからだ。しかし、…

平成28年のお母さん

一番変化していないお父さん自身は除くとして、二番目に変化していない一番身近な家族のお母さん。 と言っても、お母さんそのものは変化していないが、お母さんの廻りは大きく変化して行っている。日本の産業界において最後の楽園と思われていたお母さんが働…

平成28年の叔父さん叔母さん家族

家族ではなく親戚の事だが、平成28年の大きな事柄としては姻族ではなく血族の甥誕生だ。二人にとっては父方の初めての従弟だな。 急に話が変わるが、有名な漫才師の影響でなのか、尼崎は日本有数のガラの悪い地域として全国的に知れ渡っていそうな気がする。…

平成28年のきょうことりょうすけ

さてさて、チムニー施工を終えたのは平成28年の終わり頃。この一年前に行った作業は炉床に当たる箇所の束石設置。一年の時間を要して薪ストーブ関連施工の地面から屋根上に。見渡せば、所々の変化はあるものの一体この施主施工はいつ終えるかさっぱり分から…

建材による文化圏の違い簡略論

ところで、設計図書目的でもあるこの手記だけに、チムニー外壁仕上げ材の石灰モルタルの事について触れておこう。 石灰モルタルとは、別名か本名かは不明だが西洋漆喰とも称されるようだ。何故かモルタルという言葉が入っているが、セメントと砂とは関係が無…

「別にいいや」

施主施工をしているのは、平たく言えば節約の為。それだけでは施工品質を長期に維持する事は困難。まぁ、良し悪しとかのレベルではなくそういう事なのだ。チムニー施工はその凝縮。 先に掲載したチムニー内部写真。そこに映る内壁はケイカル板。煙道火災に備…